2022年 リフォーム業界・評価賃金制度のトレンド

皆さま、こんにちは
船井総合研究所の生田目です
3月末決算、4月より新入社員を迎え入れる・・・そのような会社様も多いことと存じます。
今回は会社が成長していくこと、社員の皆さまが満足して業務に取り組めること、それらをテーマにしてお伝えいたします。

これまで数多くのリフォーム会社様の評価賃金制度構築と運用のお手伝いをさせて頂いてきました。そのなかで2022年のリフォーム業界における評価賃金制度のトレンドが見えてきましたのでお伝えさせて頂きます。

ポイントは3つ!

①高固定給&低率歩合給
②施工管理等の間接部門評価の強化
③生産性向上と労働分配率の相関性

ここからは具体的に解説していきましょう。

01

高固定給&低率歩合給

かつて成長期に評価賃金制度を構築された会社様は、歩合の支給率が高いというケースが多いようです。確かに業績がハイペースで右肩上がりの時は良かったのかもしれません。しかし、現在のように競合が多数ひしめく状況、さらにコロナ禍で先行き不透明のような状況においては社員の皆さまからすると不安要素となります。来月の数字はどうなるのか・・・このような不安に加えて、来年支払っていく税金の問題もあります。このような問題を考慮すると社員の皆さま視点で見ると歩合支給率は落しても固定給が高く、安定した生活が送れる、そのような会社の方が安心して務めることができるということになります。

ただし、これは会社としては不安要素ともなります。思ったような成績を上げられない場合でもそれなりの固定給を支払う必要があるからです。この点についてはマーケティングや会社としての育成システムを充実することで回避することが必要です。

02

指向管理等の間接部門評価の強化

営業部門については完工粗利高等の数字で判断が可能なのであまり悩むことはないが、施工管理や施工・職人、ショールームアドバイザー等はどのように評価したら良いのか?このようなご質問を受けることも多々あります。

確かに悩ましい問題ではありますが、可能な限り定量化することがポイントとなります。

例えば施工管理であれば年間の完工粗利額や粗利率等で数値化することができます。当然、本人の意思とは関わりのない部分での影響も受けます。物件がなければどれだけ完工への意欲があっても不可能ということです。そのような点も考慮すると「専門職ごとのスキル」という視点での達成度を評価するという軸が見えてきます。この専門職ごとのスキルという視点については施工管理のみならず、施工・職人やショールームアドバイザー、総務などすべての部署に対応することが可能です。

03

生産性向上と労働分配率の相関性

営業利益率は何パーセントでしょうか?理想は10%、できれば7~8%は目指したいところかと思います。現実的には3~5%という会社様が多いのではないでしょうか。
営業利益は稼いだ売上総利益(粗利)と販管費との相関家計にあるので、どちらかを上げるもしくは下げることで創出することは可能です。
一般的に販管費率(売上対比)は27~28%であることを考慮すると粗利率は35%程度が必要ということになります。
まずは、この粗利率35%という商品創りをすることが重要となります。こちらについては今回は割愛させて頂きます。残るは販管費となるのですが、リフォーム会社における3大投資は人件費、販促費、地代家賃となります。ここで人件費について触れておきますと、リフォーム会社における労働分配率=粗利に占める人件費の割合はPLベースで40%~50%程度が理想と言えます。営業担当個人で見てみると20%~25%程度が理想でしょう。ここを高く支払いすぎてしまい、結果的に営業利益が1%程度という会社様も多いようです。営業利益が1%ですと何か不慮の事態が発生したときに会社を守り切ることができない、もしくは将来に向けた投資ができないなどの不都合が生じてしまいます。
評価賃金制度を構築する際はこの「労働分配率」について会社全体と営業個人の双方のバランスを取る設計をすることが求められます。
以上のようなトレンドを加味したうえで評価賃金制度を構築する、もしくは過去に策定した制度をブラッシュアップすることが求められています。
今一度、皆様の会社における評価賃金制度をこのような視点で見直してみてください。

3月に開催するセミナーでもこれらのトレンドを踏まえた評価賃金制度構築と運用のポイントをお伝えさせて頂きます

https://www.funaisoken.co.jp/seminar/083259