【連載コラム】小規模ガス会社のガス外収益UP成功実話①

連載コラム①(全3回)
社員4名の小さなLPガス会社が、ガス外売上を年間+1億円増やすことに成功した取り組み
~二代目後継者が挑んだ経営革新!“脱”ガス収益依存成功ストーリー~

有限会社岡庭設備燃料 岡庭光史 氏(岐阜県中津川市)
1989年生まれ。家業は岐阜県中津川市でLPガス販売店を経営。愛知県のガス会社にてガス機器やリフォームまで含めた営業職を経験した後、2017年に2代目後継者として有限会社岡庭設備燃料に入社。「自社の未来に繋がるチャレンジを成功させること」を後継者としての最初の目標として、ガス機器交換メインのリフォーム事業に挑戦。ガス会社としての強みを活かした業態づくりによって、取り組み3年で本業のガス売上を上回る事業に成長させた。

『会社を継ぐことを決意した時から、「会社の未来のために、ガス以外の何かをやらなければ!」という想いを強く持っていました』

自動車関連の仕事を経た後に、父(現・社長)の紹介で愛知県の都市ガス代理店で、そちらの顧客に向けてガス機器やエネファームの販売営業を経験して丸3年。その後に家業のガス会社に戻った私が目にした現実は、まさに地方プロパンガス業界が直面している様々な課題の縮図だったと思います。

都市ガスの代理店では毎日何件も舞い込んでいた仕事(給湯器の修理、コンロ修理…など販売のきっかけになる機会)が、こちらでは1日1件あれば良い方という状態だったのです。子供の頃から業界を間近で見てきて 「今の時代はオール電化じゃないの?ガスはこの先長くないんじゃないかな。」と思うことも少なからずありましたが、「まさかこんなにとは・・・」とショックに感じました。

しかし、それでもこれまで自分を育ててくれた大切な家業であり、家族以外にも従業員が長年尽くしてくれた会社ですから、私も大事にしたいという考えがありました。また、せっかく家族が築いてきた会社の基盤ですから、それを活かして挑戦したいという想いもありました。
ですから、会社に戻ってきたその年から、私なりに 「自社がこの先20年、30年成長を続けられるような新規事業にチャレンジすること」、「ガスに依存しない経営基盤をつくること」に、後継者としての最初の存在意義を見出して全力で突き進んでみようと思いました。

もちろん障害がなかったわけではありません。当時の社員の中にはごく一部、「あいつが帰ってきたばっかりに。」とか、「今までのんびりやってきたのに、余計なことしないでほしい。」、「せっかく居心地が良かった会社を変えるのか?」といった否定的な目で私を見る者もいました。ですが、一方でやる気とチャレンジ意欲に満ちた若いスタッフもいましたし、そういう社員達のためにも「会社の未来のために自分が正しいと思うことを信じよう!」と思うことができたので、前に進むことを決められました。

2-1 ショールーム改装とリニューアルオープン後・・・

船井:最初は疑心暗鬼の連続だったようですが、徐々に変化していったの
   は、具体的に数値・事象と心境の変化があったのでしょうか。

山本:最初にショールームの改装を行いました。当初から移転を提案され
   ましたが、大きな投資が必要で当時余裕もなかったので、ここで 
   まず2年間どこまでやれるか挑戦してから次を考えることを決めま
   した。1階が展示スペース(30坪)と倉庫(10坪)、2階が事務所で可能
   な限り水廻り設備の展示を行いスタートしました。

船井:ショールームをリニューアルオープンされてどのような変化がありま
   したか?

山本:土日開催のオープンイベントは来場142組、アポ40組でした。こん
   なに来ると正直思っていなかったので、非常に驚いた記憶が鮮明に
   残っています。改装前の平均見積数が30件弱/月でしたので、4日間で
   1ヵ月の見積依頼数を超えました。イベント後は間髪入れずメニュー
   チラシを折込し、次の半年は平均見積数が40件/月を超えました。SR
   リニューアルの効果は確実にありました。

船井:半年間の平均見積数の向上は、しっかり集計していないと気づかない
   内容で一見地味に見えますが、確実に力がついてきた証拠ですね。



   ~現在の取り組み~商品戦略・チラシ販促編に続く~

「ガス会社としての顧客基盤と経営資源を活かせるのは、リフォーム事業だと考えていました。」

リフォーム専業会社やホームセンターなど、多くの会社がリフォームビジネスに取り組んでいますが、ガス機器の交換などの低単価な工事ほど、「どこに頼んで良いかわからない」というお客様がまだまだ多くいます。

そして販売を通じてお客様の家の状況を把握でき、お困りごとを自然にキャッチできるガス会社は、リフォーム事業と関連性が高く、この上なく相性の良い事業だと思います。

私自身、前職でガス機器の販売営業をする中で、このことを身をもって経験していました。
社長である父も、「前職の内容を活かして、(会社に)戻ってきたらリフォーム事業をやってみたら良いんじゃないか?」と度々言っており、「新規事業はリフォームで!」という方向性は自分の中でもすんなり決まりました。


ところが、問題はそこからでした。
具体的にどうやってお客様を集めるのか?
協力してくれる業者をどのように募ればよいのか?
仕入先はどのように決めれば良いのか?
工事の専門知識をどうやって身に付ければ良いのか?
・・・

実際に取り組みを進めようとすると様々な課題が浮き彫りになりました。

その中でも特に急務だったのは「集客」でした。
お客様からの依頼がなければ何もはじめようがないですし、具体的な案件がない状況では協力業者や仕入先とも具体的な話はできるわけがありません。


また、ガスに依存しない収益基盤となるレベルまでリフォーム事業を成長させるには、それまでの「ガスのお客様に違うものを売る」という発想ではとても目標売上には到達しません。
地元のもっと多くのお客様に、自社のリフォームというサービスを選んでいただくための方法を模索しなければなりませんでした。


<ガス顧客以外の一般のお客様にも選ばれるリフォーム事業にするために、有限会社 岡庭設備燃料が取り組んだ戦略とは?ぜひ次回コラムもお読みください。次回は4/3 12時に配信予定>

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・全国で業績が上がっているプロパンガス会社の取り組み
・地方のLPガス会社が勝ち残るために選ぶべき戦略と取組み事例
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・成功するリフォーム事業の立ち上げ手法
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日程: 2024年4月25日(木)
会場: TKP新橋汐留ビジネスセンター
料金: 一般価格 20,000円 (税込 22,000円)/ 一名様
    会員価格 16,000円 (税込 17,600円)/ 一名様

 

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