リフォーム会社の持続的成長を可能にする評価賃金制度

成熟期に突入したリフォーム業界において、持続的な成長を可能にする業績アップ手法の一つは「複数業態・複数業種」展開です。
当然、これまでとは違い例えば同じリフォーム業種でもリフレッシュ系とリノベーション系でブランドを分ければそれぞれの担当職種が必要になり、それぞれを公平に評価する制度が必要になります。
今回はそのような「複数業態・複数業種」展開を進めるうえで必要となる「評価制度」の作り方についてお伝えします。

「社員の公平性を保つ評価制度」

まず、評価制度は全社員が公平であることが必要要件です。それぞれの職種ごとに評価軸が違うとはいえ、同じレベル感の社員であれば同じ程度の評価がなされ、同じレベルの給与が支払われる制度でなければならないという事です。
例えば、リフォームの中でもリペア&1day、リフレッシュ、リノベーションと3つの業態ゾーンでブランド展開をする場合、同じ3等級レベルの社員は同じレベルの給与が支払われる制度でなければなりません。当然、ブランドごとに稼げる粗利額に差異は出ますが、業態ブランドごとの差異を考慮した等級の設計と賃金・給与制度を設計することになります。
また、総務や経理、施工管理や工務、設計やインテリアコーディネーター、ショールームアドバイザーなど複数の職種についても同様のことが言えます。
これらは複数業種、つまり新築住宅や不動産などの業種においても同様のことが言えます。「あの部署は良いなぁ」と社員から不平・不満が出ないようにそれぞれの業態や業種ごとに連携のとれた制度設計を作るポイントの一つは営業職で例えると「労働分配率」になります。

「労働分配率発想」

労働分配率には2通りの考え方があります。
1つめは会社全体のPL上で見る労働分配率。これは扱う業種・業態によって変わりますが、建設不動産系であるならばおよそ40%~50%(法定福利費を含む)でしょう。当然、労働分配率が高いほど社員への還元率が高いこことにもなるので社員にやさしいという表現もできますが、大きくオーバーしてしまうと営業利益を圧迫することになります。決算賞与の発想は見込みの営業利益から数%を社員に還元するという発想です。
2つめは営業個人の労働分配率。これは営業個人が年間に稼いだ粗利額の何%を還元するかという発想です。リフォーム業界ではおよそ25%前後が標準的でしょう。

リフレッシュ系で年間粗利が1,800万円ならその25%で450万円前後が個人の年収ベースとなります。もちろん、同じリフォームでもリノベーション系の場合は設計や工務、インテリアコーディネーター等が案件にはいってきますからその人の分も稼ぐと考えると、先ほどのリフレッシュ系の1.5倍~1.7倍は粗利が必要となります。
これは業態や業種ごとに適正な分配率を設定して同じ等級であれば同じ給与になるように設計することが必要です。

「間接部門の評価」

総務、経理系や施工管理、工務、職人などの間接部門社員についても正当に評価する仕組みが必要です。
営業と違い数字などの評価軸設計ができないため、スキル評価や重点目標評価などの評価軸が必要となります。特に重点目標評価については会社の求める業務やスキルと本人の目指す姿とのすり合わせが必要となるので、前期末に来期の目標設定を行うミーティングを重ねることがポイントとなります。
会社の業績は営業のみが創るのではなく、全社員が一丸となって創るという発想をベースにした評価制度を構築・運用し、社員にその発想をインストールすることが持続的成長を可能にするキーとなります。
皆さまの会社でも、評価制度の見直しやブラッシュアップなどをご検討されることをお勧めします。

【リフォーム業界】持続的成長を可能にする「評価制度」の作り方

 

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