リフォーム営業の「砂時計理論」

皆様おはようございます。船井総合研究所の井手と申します。

ある支援先の営業社員が、がっくり肩を落としていました。

彼は先月、250万以上の受注粗利を残すなど好調なはずなのに、なぜ?

そう思って尋ねたところ、2,000万と3,000万の大型案件を、立て続けに失注してしまったそうです。

2件とも、お客様は相見積も取らず、早い段階から「あなたに任せたい」と言ってくれていたそうで、必ず決まると思っていたので、なおさらショックだったのです。

失注の理由は何かというと、2件とも、検討の最終段階になって家族間で意見が対立し、リフォーム自体を見合わせることになったからだといいます。

私が気になったのは、いずれの案件も、半年近く前から動いていたものであることです。高額案件であるとはいえ、追客期間が長すぎます。

聞くと、途中、お客様とのやり取りや打ち合わせの間隔が空くことが、何度かあったそうです。

もし、時間を巻き戻せるとしたらどうしたいかと尋ねたところ、間を空けずに次の提案をまとめ、打ち合わせを進めますと答えてくれました。

つまり、「あなたに任せたい」という言葉に少々油断し、のんびり進めてしまっているうちに、家族や周辺からいろんな意見が出てきて、収拾がつかなくなってしまったということです。

本人にとっても会社にとっても痛い結果となってしまったのですが、「スピード営業」の重要性を改めて思い知りました。

この事例を受けて、私がこの会社の店長たちに伝えたのは、「砂時計理論」という考え方です。

砂時計の砂がすべて落ち切ったら、失注を意味するとします。

そうならないためには、砂時計をひっくり返す必要があります。

この、「ひっくり返す」という作業が、お客様との接触。すなわち、商談や電話、メールなどのやり取りです。

ひっくり返しても、また砂が落ち切れば失注ですから、間を空けずにまたひっくり返す。

営業は、受注か失注かの結果が出るまで、その繰り返しなのです、と。

ひっくり返した、つまりお客様との接触を終えたその瞬間から、砂は刻一刻と落ちていきます。だから、早く次のやり取りを!

「追客は、間隔空けずにテンポよく」

追客期間が伸びがちな大型案件ほど、その意識を強く持って営業を進める必要があるのです。