リフォーム業界 OB顧客×インサイドセールス LTV最大化
皆さま、いつもお世話になっております。船井総合研究所の生田目です。
今回は10年後、リフォーム業界が迎えるであろう「Y世代へのターゲットチェンジ」についてお伝えさせて頂きます。
「Y世代へのターゲットチェンジ」
現在のリフォームマーケットのメインターゲットはX世代と言われる層です。団塊ジュニア世代といっても良いでしょう。ただし、この世代も10年後にはリフォームマーケットからリアタイア致します。その次はいわゆる「Y世代」、今の30歳~40歳前後がメインのターゲットとなります。当然、社会環境も大きく変わることになるのですが、リフォーム業界においては大きな2つの変化があると考えています。
①人口の急激な減少による新規顧客獲得の困難化
②販促、営業などのマーケティング手法の変化
その対応策としてあげられるのは以下の2つです。
Ⅰ.圧倒的1番化
Ⅱ.OB顧客の強固な囲い込み
今回は特にⅡ.OB顧客の強固な囲い込みにフォーカスを当てたいと思います。
インサイドセールス
昨今はこのキーワードを耳にすることも増えました。言葉の定義をしておくと「これまでのように客宅に訪問するのではなく(これをフィールドセールスとも呼びます)、メールや電話、ZOOMなどのリモート環境でお客様にアプローチを行うことです。これまではこのレベルまでがメインでしたが、今後はさらにリモート現調、電子契約などによりセールス活動のすべてをリモート環境で行うようになっていくものと思われます。
現在のリフォーム業界においては若干リモート環境は増えたものの、まだまだリアルなフィールドセールスがメインであります。これをまずは休眠OB顧客の掘り起こしに活用しようと考えています。
OB顧客の掘り起こし
皆さまの企業や店舗においてのOB顧客は何件ほどでしょうか?残念ながら過去ご契約いただいたお客様すべてが有効なOB顧客であるという企業、店舗は少ないことと思います。もちろん、リフォームの業態によりリピートが多い少ないの差はあると思いますが、少なからずその関係性は保てるのではないでしょうか。
とはいえ、リフォームの場合はお客様が営業担当者につくという傾向も強く、営業担当者の退職に伴いそのお客様もフェードアウトしていく・・・会社としてもアプローチが難しく、DMは送るものの反応はなく、会社としてもフェードアウトしてしまう。
このような状況をインサイドセールスによてって打破することが可能であり、休眠OB顧客への有効なアプローチが実現できます。
コールセンターよりの電話コールにて約1,300軒の休眠OBへアプローチし、約60件の見込み獲得につながったという事例もあります。もちろん、クレームを拾うこともありますが、これはむしろチャンス。このクレームにしっかりと対応することでサイレンクレームの解消につながり、OB顧客としての復活も望めることになります。
皆さまはOB顧客に向けてどのようなアプローチを行っていますか?
続いて、CRMについて触れておきたいと思います。
CRM(Customer Relationship Management)
顧客関係管理とも言いますが、お客様のニーズ発生のタイミングで適時・適切にアプローチを行う関係性マネジメントのことです。
デーラーで自動車を買ったあとに、定期点検や車検、買い替えなどのタイミングで案内がくると思いますが、それもCRMの一つであります。
リフォーム業界はCRMが非常に有効なはずなのですが、導入して活用している企業はごくわずかです。
LTV(Life Time Value、顧客生涯価値)
エンドユーザーが生涯でリフォームに使う金額はおよそ1,000万円前後であると思われます。トイレの交換をしたら、その10年後にはお風呂と洗面化粧台、その5年~10年後にはキッチンリフォームが入ります。その間にも給湯器交換、水栓交換などの小工事はもちろん、屋根外壁塗装などがさまざまなタイミングで発生します。これを営業担当者が行うのは困難ですので、システムにとって代わってもらいアプローチを行うということです。
1stステップ:顧客カルテの作成
現在の顧客情報は営業担当者の頭の中・・・このような企業が多いと思いますが、これを集約し会社のデータにしていきましょう。
2ndステップ:CRMシステムの導入
数千件の顧客情報をエクセル管理するのは困難であるので、これをまとめて管理できるCRMシステムを導入検討していきましょう。
3rdステップ:CRMシステムの運用
システムにしたがってOB顧客へのアプローチを開始します。これをフィールドセールスではなくインサイドセールスの活用により営業効率を高めることが可能になります。