リフォーム業界 OB顧客×インサイドセールス LTV最大化
リフォームはリピート産業です。エンドユーザーが一生涯でリフォームにかける費用は1,000万円前後でしょう。
さらに現在のメインターゲットである築25年前後の住宅にはすでにシステムキッチンやユニットバスが使われており、かつてのような大規模な改修を必要としません。大きめの工事といってもキッチンやユニットバスの入れ替え交換や外壁塗装くらい・・・性能が向上している今の住設機器であれば、おそらく入れ替え交換は一生涯で1回でしょう。これからはメンテナンス系の依頼が増えるかもしれません。さらに人口も減少を続けていますから新規顧客の獲得も困難になる。そのような状況でも持続的に業績を上げるためには「インサイドセールス」がもはや必須となります。
今回はインサイドセーるについてお伝えさせて頂きます。
インサイドセールスとは?
インサイドセールスは、近年の営業戦略の中で急速に重要性を増している分野です。従来のフィールドセールス(外回り営業)が主流だった時代から、テクノロジーの進化とビジネス環境の変化により、インサイドセールスが企業の成長を支える重要な役割を果たすようになりました。この記事では、インサイドセールスの基本的な概念、利点、そして今後の展望について探ってみたいと思います。
①インサイドセールスとは?
インサイドセールスは、主にオフィス内で電話、メール、ビデオ会議などを通じて営業活動を行う方法です。フィールドセールスが顧客先を訪問して直接対面で営業を行うのに対し、インサイドセールスはリモートでコミュニケーションを取ります。デジタルツールやデータ分析を駆使して、顧客との関係を築き、商談を進めるのが特徴です。
②インサイドセールスの利点
1.コスト効率の向上:
フィールドセールスに比べて、移動や出張の必要がないため、コスト削減が可能です。また、より多くの顧客にアプローチできるため、投資対効果(ROI)が高まります。
2.迅速な対応:
リモートでのコミュニケーションが可能なので、顧客からの問い合わせに対する迅速な対応が可能です。リアルタイムでの情報提供やフォローアップが行いやすく、顧客満足度の向上につながります。
3.データ駆動型のアプローチ:
CRM(顧客関係管理)システムやデータ分析ツールを活用することで、顧客の行動やニーズを詳しく把握し、より的確なアプローチが可能です。データに基づいた営業活動は、成功率を高める要因となります。
インサイドセールスの未来
インサイドセールスは、今後さらに進化すると予測されます。以下は、その主要なトレンドです。
①AIと自動化の活用:
人工知能(AI)や機械学習の進化により、営業活動の自動化が進んでいます。例えば、AIによるリードのスコアリングや、自動化されたフォローアップメールの送信が行われるようになり、営業チームの効率が飛躍的に向上するでしょう。
②デジタルツールの進化:
新しいコミュニケーションツールやプラットフォームが次々と登場しています。これにより、顧客との接点が増え、より多様な方法で関係を築くことが可能になります。
③パーソナライズの深化:
データ解析とAIの活用により、顧客一人一人に対してさらにパーソナライズされたアプローチが可能になります。個々の顧客のニーズや関心に基づいた提案は、成約率の向上に直結します。
④リモート営業の普及:
リモートワークの普及が続く中で、インサイドセールスの需要はさらに高まるでしょう。これまではあたりまえであった訪問型の営業スタイルは減少し、来店型もしくはリモート営業へとスイッチしていくことでしょう。
持続的成長を実現するLTV最大化戦略
Y世代へのチェンジ
現在のリフォームターゲットは団塊ジュニア世代です。あと10年もするとこの世代はリフォームマーケットから去り、次の世代である「Y世代」がメインターゲットとなります。この世代は団塊ジュニアよりも企業や人に対するエンゲージメントが低くなる傾向にあります。あの人がいるから・・・あの会社だから・・・という選択基準から適時タイミングという基準に変わることでしょう。
LTV最大化とCRM
リフォームは一定のタイミングで工事ニーズが発生します。これを顧客生涯価値、Life Time Value、LTVと呼んでいます。リフォームの場合はおそらく1,000万円~1,500万円前後ではないでしょうか。
工事ニーズ発生のタイミングでのアプローチにより他社に先駆けてニーズをキャッチすることができるため、競合の排除にもつながります。逆を言えば、他社が我々のOB様に向けてそのようなアプローチをした場合に我々に反響としてかえってこないという可能性にもつながります。
このLTVを最大化するために必要なマーケティングが前出したCRM、Customer Relationship Management、顧客関係管理となります。
ディーラーで自動車を購入すると定期点検や車検、買い替えなどのアプローチを適時なタイミングで受けると思いますが、あれがまさにCRMなのです。
10年後のY世代へのターゲットチェンジに備えるためにもこの5年がとても重要となります。
①圧倒的1番化
地域内で圧倒的なシェアを獲得しておくことが重要です。コンビニ業界を見てみましょう。一部、北海道での地元企業様が強くはありますが、現在はほぼ3強のみが残る状態です。いわゆる3番店、4番店は淘汰されてしまったと言えます。リフォームが必ずしもそうなるとは思いませんが、近い状態にはなることが予想されます。事実、現在のリフォーム業界においても1番店と2番店、3番店では反響率や営業利益率に大きな差が生じています。
②OB顧客の囲い込み
新規顧客の獲得が困難になるとするなら、いかにしてOB顧客とのリレーションシップを図るかがポイントです。これを営業担当者に任せてきたのが、これまでの業界標準でもありましたが、今後はリモートツール等を使いながら会社としての仕組みで動かしていく必要があります。インサイドセールスやCRMというキーワードにはこれまで以上に注目が集まると思われます。
【リフォーム業界」持続的成長を続けるためのLTV最大化戦略