新システムの導入を成功させるためには

皆様こんにちは。船井総合研究所の井手と申します。

今や、「生産性アップ」は、すべての会社が取り組むべき経営課題です。

その手段のひとつとして、デジタルツールやAIの活用があるわけですが、弊社のご支援先でもその成果が生まれています。

たとえばA社では、新しい基幹システムの導入が、残業時間の削減につながっています。3年前に社員1人あたり月平均25.6時間だったのが、現在は22時間で、3.6時間(14%)の削減です。

また、B社は業務システムの導入により、粗利率を35%から37%へと2ptアップさせています。

新しいシステムを導入しても使いこなせず、いつしか無用の長物になってしまうというケースも少なくない中、A社やB社のように成果を出している会社には、2つの共通点があるように思います。

1つめに、「システムを会社に合わせるのではなく、いったん会社がシステムに合わせる」という基本方針を貫いていることです。

お笑い芸人で、テラスカイ社の執行役員でもある厚切りジェイソンさんは、「日本の企業はシステムに業務を合わせるのではなく、業務にシステムを合わせる(カスタマイズする)ので、効率が悪すぎる」というコメントを残したことがあります。

まずは会社がシステムに合わせる、システムに合わせた業務フローへ移行することが、成功のポイントなのです。

そして、2つめに、上位役職者からシステムを使いこなすということです。

前出のA社は、社長がシステム会社の担当者と直接やり取りするなど、新システムの導入・定着を、自ら先頭に立って進めてきました。

そうすると、部長や店長たちも、新システムを使わざるをえません。そして、部長や店長が使っているなら、その部下たちもそうです。

言うなれば、「シャワー効果」を働かせるということです。

この2点が、新システムの導入、ひいては生産性向上のために、押さえるべきポイントではないでしょうか。