リフォーム会社のための増税対策・キャッシュレス決済のすすめ

リフォーム会社のための増税対策・キャッシュレス決済導入まとめ

こんにちは。船井総合研究所の齋藤勇人です。
今週も最新メルマガをお送りします。
今週のコラムテーマは「キャッシュレス決済の導入について」です。

多くのリフォーム会社や工務店にとって、
10月からの集客の冷え込みは深刻だったようです。
「消費税増税前にリフォームをやってしまおう」という、
いわゆる駆け込みリフォームは地域で差はあっても
そこまで大きな波にはなりませんでした。
しかし多くのリフォームが必要性・緊急性の高い生活必需品ではなく
「我慢すれば住める、暮らせる」という特性の商材であるがゆえに、
増税後にはなるべくお金を使わないようにしようという
「買い控えムード」の影響を受けやすいと言えるでしょう。

そのような中で集客を引き上げるためには、
「今なら増税前よりもお得にリフォームすることができる」
ということをわかりやすく伝えることが有効です。

政府の施策として建築業界の皆様には広く認知されている
(1)次世代住宅ポイントもそうですが、
それだけでは消費者へのインパクトが弱いのが現状です。
そのため二重の仕掛けでさらに消費者メリットを打ち出せるのが、
中小企業を対象に経済産業省が管轄する(2)キャッシュレス・消費者還元事業です。
来年6月までの期間限定ですが、いま活用しないと非常にもったいない制度です。

国の制度を活用して消費者に大幅なメリットを訴求できる
キャッシュレス・消費者還元事業。
今回はリフォーム会社がキャッシュレス決済を導入する上での注意点や、
実際に導入するまでの流れ、おすすめのキャッシュレス決済代行サービスについてまとめてみました。

急激に増えたキャッシュレス決済希望の消費者の存在

私もコンサルタントとして多くのリフォーム会社に
お伺いさせていただいていますが、どの会社でも
「10月からクレジットカード払いを希望するお客様が増えた」とのことでした。
各メディアが増税直後から一斉に、
軽減税率やキャッシュレスポイント還元を報じたこともあり、
政府が推進するキャッシュレス社会化がいよいよ進むかたちになりました。
ところで今回のキャッシュレス決済の定義ですが、
「電子マネー、クレジットカード、プリペイドカード、
デビッドカード、そしてそれらを含むスマホ決済による支払い」が含まれます。
リフォームの支払いでは、メイン客層が50~60代であることと
単価が一般的な小売消費財よりも高額であること等から
主にクレジットカード決済が主流になるため、
今回はクレジットカード決済を前提として
キャッシュレスポイント還元について整理していきます。

クレジットカード決済の場合は、原則として
カード1枚につき月に最大30万円までの支払いが還元対象になります。
つまり、その範囲においては支払った金額に応じて5%(または2%)が
クレジット決済事業者から消費者にポイント還元されるため、
高単価商材であり購買頻度が少ないリフォームは、
消費者からすればぜひキャッシュレス決済しておきたい
買い物であると言えるでしょう。

大手量販店やハウスメーカーでは適用されない、中小企業のための優遇制度という側面もありますので、販促や営業の段階で
消費者にとってのメリットをわかりやすく知ってもらうことができれば
皆様の会社にとって大きなメリットにもなります。

リフォーム会社の事業戦略

消費者へのメリットはどの程度?

キャッシュレス・消費者還元事業(キャッシュレス・ポイント還元事業)では、
消費者が対象の中小企業でキャッシュレス決済をすると、
支払い金額の5%(ただしフランチャイズチェーンに属する店舗の場合は2%)が
決済手段としたクレジットカードや電子マネーのポイントとして還元されます。
ポイント還元の上限は「クレジットカード1枚につき、月30万円までの支払い」
等のような制限もありますが、増税後の軽減税率の話題と合わせて
一気に世間に広まったことにより、
「キャッシュレス還元加盟店だと5%の還元が受けられる=増税前よりもお得に買える」
という意識はこの1ヶ月程度で一気に浸透しているようです。

リフォーム会社が負う負担やリスクは?

結論から申しますと、キャッシュレス対応を進めることによるリスクは特にありません。
というよりも、「カード払いはやったことがなくて何となく不安だから…」
と二の足を踏んでいては、流れに乗り遅れることによる
デメリットの方が大きいと言えるでしょう。

たしかに、クレジットカード決済は売り手の手数料負担があるため、
従来の現金決済と同じ粗利率設定だと3~4%程度の減益になります。
しかし、キャッシュレス・消費者還元事業の期間中(~2020年6月)は、
この手数料も軽減されて実質2%前後に抑えられます。
また、導入にあたってのコストも、国の指定する事業者であれば
端末代や初期費用が0円で導入することができます。

また決済手数料については、
「クレジットカード支払い上限額」を決めているリフォーム会社が多いようです。
例えば「クレジットカードの支払いは30万円まで。
それを超える分は現金支払いでお願いしております」というかたちでも、
1回のカード決済でポイント還元される上限が30万円ですから、
お客様はキャッシュレス決済の恩恵を満額受けることができますし、
事業者側も30万円を超える金額は現金決済で従来の粗利率を維持できますから、
業績への影響が大きい大規模リフォームで
「キャッシュレス決済にしたから粗利率が下がった」という状況を防ぐことができます。

自社がキャッシュレス対応するまでの手続きと流れは?

キャッシュレス・ポイント還元事業の適用を受けるためには、
「キャッシュレス・消費者還元事業加盟店」として登録されていることが条件になります。
この加盟店登録の申請は、自社ではなく
キャッシュレス決済事業者から国に申請してもらうという流れになります。
そのため、すでにクレジットカード決済端末を所有している会社であれば、
その決済サービスを提供している事業者に依頼をすることになりますが、
そもそも決済事業者が「キャッシュレス決済事業者登録」
をされている会社でなければなりません。

この場合はひとまず自社に決済端末を提供している会社に、
「そちらでキャッシュレス・消費者還元事業の加盟店申請を
してもらうことはできるでしょうか?」と聞いてみるのが早いでしょう。

これまでクレジット決済と無縁だった、
現金決済オンリーのリフォーム会社であっても、大まかな流れは同様です。
自社でまずやらなければならないのは、
「キャッシュレス決済事業者登録」がされている決済事業者の中から、
キャッシュレス決済端末を導入させてもらう会社を選ぶことです。
と言っても、皆様の会社の多くは、
取引先の金融機関などから上記のサービスに関する
ご説明を既に受けていることと思います。しかし結局のところ、
「どこに頼んで良いのかわからないから、何も進んでいない」
という会社がほとんどではないでしょうか?

この決済事業者選びで失敗しないために、
次に弊社のクライアントであるリフォーム会社様が
実際に利用している中でおすすめのサービスを取り上げさせていただきます。

おすすめのキャッシュレス決済代行サービス一覧

まずそこまで多くない例かと思いますが、
クレジットカード会社と直接契約をする形態はあまりお勧めしません。
理由としては(1)多くのお客様の決済に対応しようとすると、
必然的に複数のクレジットカード決済に対応しておかなければならないが、
(2)クレジットカード会社と直接契約をする場合は、
それぞれのカード会社で個別に登録申請をしてもらわなければならないからです。
要は、非常に手間がかかって手続きが面倒になります。

そこで、基本的には1社と契約してあらゆるクレジット決済に対応できる端末を
提供してくれる「決済代行事業者」を利用することを推奨します。

実際にリフォーム会社で利用されている例を挙げると、
・Coiney(コイニー)
・Airペイ(エアペイ)
・楽天ペイ
などのサービスです。それぞれ特徴や強みは異なりますが、共通しているのは
「一般的に普及しているほとんどのクレジットカードに対応している」、
「クレジット決済以外にも、電子マネーやスマホ決済まで1つの端末で出来る」、
「キャッシュレス決済事業者登録されており、導入コストもほぼかからない」、
「政策期間中の実質負担金利が低い」といった点です。

振込口座によって更なる優遇があったり、入金のタイミングの違いがあったりという違いはありますので、上記の中から自社に合ったものを選ぶと良いでしょう。

以上、「リフォーム会社のための増税対策・キャッシュレス決済のすすめ」
と題してお伝えしました。
来週木曜日もお楽しみに!