リフォーム売上0.3億円の工務店が3年で10倍の3.5億円に成長した取り組み

新築や公共工事の先行きが不安。リフォーム事業を伸ばしたいけれど上手くいかない。

そんな工務店経営者はぜひご一読ください。

新築着工棟数が減少を続け、その多くのシェアを大手ハウスメーカーや地域有力ビルダー、さらに建売分譲会社が占めるようになった今、地元密着の中小工務店が安定経営を続けるためには「リフォーム事業に取り組んでいるかどうか」が大きなポイントになるでしょう。

しかし実際には、そう思ってリフォーム事業に取り組んでいるつもりでも、
・忙しいばかりで利益が残らない
・リフォームは見積や管理が難しくてやれる人がいない
・小さな工事ばかりで効率が悪い
・お客様からの問合せを増やすやり方がわからない
といった悩みも多く、事業としてうまく成り立たせることができていない会社の方が多いと思います。

今回解説する『年商3億円の普通の工務店が、それまで年間0.3億円だったリフォーム事業をわずか3年で3.5億円の事業に成長させた取り組み』は、とてもシンプルです。

1. リフォーム専門店として新ブランドを立ち上げた
2. 効率の良い「客単価100万円以上にする仕掛け」
3. 慎重だったショールーム投資が、実は成功の要だった
4. リフォーム専門店立ち上げによるメリットまとめ

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リフォーム専門店として新ブランドを立ち上げた

多くの工務店経営者にとって、新築はできれば今後も継続して伸ばしていきたい事業だと思います。しかし新築事業を前面に出してしまうと、そもそも客層が50~60代であるリフォームの集客はできません。新築のイメージが強い会社に対しては「家の一部を直すような小さな工事は頼みにくい」と感じるのが一般的な消費者感覚だからです。かといって逆にリフォーム事業を前面に出してしまうと、ただでさえ減っている新築の仕事は更に少なくなってしまう心配もあるでしょう。
冒頭でご紹介した工務店が取った手法は、「リフォームのお店」として地域に認知してもらえるような専門ブランドを新たに立ち上げるというものでした。「新築住宅会社」のイメージをそのままにして、新たにリフォーム事業を立ち上げるには、専門店化は非常に優れた手法でした。

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効率の良い「客単価100万円以上にする仕掛け」

「リフォームの専門ブランド」を立ち上げた結果として、当然リフォームの依頼は増えるわけですが、小さな工事の依頼ばかりでは売上が上がらず、対応もできなくなってしまいます。そんな課題に対して打った対策は、「安定した集客が見込める上に、提案によって単価アップがしやすいリフォーム」すなわちキッチンや浴室などの水廻りを入口として販促をすることでした。水廻りはリフォームの中でも市場規模が最も大きいため安定した集客が期待できます。さらにキッチンや浴室のリフォームは、その後の提案を通して間取り改修を絡めた単価の高い工事になりやすいという特徴があります。
お客様がわかりやすく安心して問合せができるように、「工事代コミコミのパック商品」を作ってチラシで打ち出すことで、狙いどおりの集客数と単価を実現することができました。

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慎重だったショールーム投資が、実は成功の要だった

「リフォームで売上を伸ばすためには自社ショールームを持った方が良い」と言われても、それなりの投資がかかるショールーム出店に対しては二の足を踏む経営者の方が多いのではないでしょうか。そしてそう考える方の多くは、ショールーム出店がもたらす具体的なメリットをイメージできないのではないかと思います。
事例に挙げた工務店をはじめ、全国各地でリフォーム事業を成長させている会社がショールームを出店する理由は、「集客力アップ」と「契約率アップ」に大きな効果があるからです。チラシやWEBでしか見られなかった商品が気軽に実物比較できるショールームがあることで、同じチラシ広告費でも集客効果は倍増します。また、実物を前にして商談を進めることで、新人営業マンの契約率アップに大きな効果をもたらします。

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リフォーム専門店立ち上げによるメリットまとめ

  1. 集客が安定する
  2. 「新築も公共工事もリフォームも、何でもやる工務店」から「リフォームの専門店」というブランドを立ち上げることで、お客様から見てもわかりやすく・頼みやすい“入口”を設けることに繋がるため安定的に反響を獲得できるようになります。

  3. 資金繰りが楽になる
  4. 単価100万円前後の回転が早いリフォームを中心に売れるようになると、大型工事や新築頼みの売上体質から毎月安定して売上を作れる体質に変わってくるため、会社のキャッシュフローが改善します。

  5. 会社全体の粗利率が改善する
  6. リフォームはしっかり取り組めば平均35%以上の粗利率が確保できる事業です。リフォーム売上比率を増やしていくことによって会社全体の粗利率も向上すれば、より利益が残って余裕のある経営ができるようになります。

  7. 業界未経験の新人が活躍できるようになる
  8. 「新築でもリフォームでも、何でもやる工務店」は依頼される仕事の幅も広くなるため、建築業界に精通したベテラン社員でないと活躍するのが難しい環境です。したがって、忙しくて人手が欲しくても「育たないから人も増やせない」といった状況の中で忙しさから抜け出せない経営者の方も少なくないことでしょう。
    専門店化することで依頼される仕事の幅を一定の範囲に絞り込むことで、経験の浅い新人でも必要最低限の知識で成果を出すことができます。新人の戦力化が早くなるということは、それだけ人材の採用もしやすくなるということです。

以上、「リフォーム売上0.3億円の工務店が3年で10倍の3.5億円に成長した取り組み」と題してお伝えしました。