工務店・リフォーム会社のSEO対策|検索順位の最適化より大切な基礎知識
今週の最新コラムをお送りします。
WEBサイトでは、制作時の設計も大事ですが、完成した後の運用も非常に大事です。
WEBサイトの運用のことを調べてみると、「施工事例を上げれば検索順位上がる」「検索順位1位で○○」「ブログ更新で○千万/月」等の事例が公開されています。その多くはSEO対策のコンサルティングを行っている会社の情報発信で、端的に言えば「SEO対策をうちの会社でやりましょう!」という内容です。
ここで、考えなければいけないのは、通常のWEB会社は反響数を増やすためには広域エリアでのマーケティングを行う傾向にあるのに対して、リフォーム事業を高収益にするためには「商圏を絞り込む必要がある」ことです。
リフォームのような、商圏を絞って行うローカルビジネスにおいては、いかに商圏内での露出を増やし反響に繋げるかが非常に重要です。
一方で、WEB専門会社のコンサルティングでは、とにかく1位の表示のこだわったり、広告運用を広域で行ったり、施策の優先順位をおざなりにしている会社も少なくありません。
今回のコラムでは、今リフォーム事業を行っている工務店・リフォーム会社に必要なSEO対策についてお伝えできればと思います。
こんな人におすすめ
- 新しく集客用のホームページ制作を検討している
- ホームページを制作したが、WEBからの反響が伸び悩んでいる
- WEB広告を運用しているが費用が高く、「SEO対策」というものに興味がある
7分~8分で読めます!時間をお取りいただいて、じっくりご覧ください。
これだけは知っておきたいSEO対策
そもそもSEO対策とは、検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)と呼ばれ、自社のサイトが検索結果により多く、より良い位置で掲載されるようにする対策のことを指します。
この「検索結果にどう表示されるか」については、Googleのロボットがあらかじめ定められた「アルゴリズム(=判断基準を定めた仕組み))」で判断しています。
この判断の基準は明らかにされていない上に、このアルゴリズムは定期的にアップデートされます。
判断の基準が変わるということは、検索順位に変動が生じます。この、検索順位の上下に一喜一憂する会社も多いですが、どれだけアップデートがされても基本的に目指すべき方向性は変わりません。
それは、Googleが創業当初から「ユーザーの利便性の追求」という考えの元にGoogleの検索エンジンを作り上げており、この考えを外さなければ長い目で見たら評価は安定します。
詳しくは→Google が掲げる 10 の事実
1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
この一文に集約されいます。詳しくは、上記サイトをご覧ください。
Googleの基本方針は、「ユーザーの利便性が高い(+ユーザーのニーズを満たす)サイト」を高く評価し、その判断をアルゴリズムを使って機械的に判断しているということです。
そのため、この機械的な判断の穴を突いた施策で検索順位を上げることもできますが、本質的には先述のGoogleの方針とは相反するため、違反が見つかると、ペナルティとして検索順位の下落が下落したり、アップデート時に大きく順位が変動します。
言い換えれば、SEO対策の基本方針は、下記2つの観点からの分かりやすいサイトを制作と運用です。
1.ユーザーが知りたい情報をストレスなく見つけることができる=ユーザー視点
2.Google(ロボット)が上記の内容を判断しやすいような、分かりやすい構造・文章で制作=Google視点
工務店・リフォーム会社のためのSEO対策
SEO対策の基本的な流れとしては、以下の通りです。
- ユーザーの検索しそうなキーワードをリストアップ
- キーワード毎の検索ボリューム(月に何回検索されているか)を調査
- 狙うキーワードの優先順位を決める
- 狙うキーワード毎に、ページ(ブログ・お知らせ・コラム)を作成する
- 1.キーワードのリストアップ
まずは、リフォームに興味のあるお客様がどんなキーワードで検索するか書き出します。
その際に、サジェスト検索ツール(サイト:https://www.related-keywords.com/ )を活用すると、ユーザーが良く検索しているキーワードの組み合わせを知ることができます。
例えば、サジェスト検索ツールに「リフォーム」と入力すると、」
「リフォーム ローン」
「リフォーム 会社」
「リフォーム 相場」
「リフォーム 補助金」
「リフォーム 減税 」
「リフォーム キッチン」
「 リフォーム 費用」
「 リフォームローン 金利 」
…等々、かなりの数のキーワードが表示されます。
まずは、この中から、リフォームに興味があり、お客様になりそうな人が調べるキーワードをリストアップします。
- 2.キーワード毎の検索ボリュームの調査
キーワードの検索ボリュームの調査方法はいくつかありますが、以下のやり方がおすすめです。
1.Googleキーワードプランナーを活用する
2.Web上で公開されている無料の検索ツールを活用する
①に関しては、Google広告のアカウントを持ち、広告運用していることが前提になります。使用方法としては、Google広告の管理画面から使用が可能です。詳しくはWEB上で検索すると丁寧な解説が多く公開されているので、割愛いたします。」
②に関しては、「Ubersuggest」(サイト:https://neilpatel.com/jp/ubersuggest/ )のようなサイトを活用する方法です。
通常のWEB担当者様ですと、①は広告運用の実績もある程度は必要なので、②のようなサイトを活用するのがおすすめです。
ただし、このボリュームの基準は全域商圏のキーワードを想定しています。
「リフォーム」(2020年3月5日時点)を調査してみると、
☑Yahoo!:99,551回/月
☑Google:81,450回/月
「リフォーム 費用」を調査してみると、
☑Yahoo!:9,720回/月
☑Google:8,910回/月
となります。
- 3.SEO対策で狙うキーワードの優先順位を決める
SEOコンサルを行う会社では、検索ボリューム(月間)を
スモールワード:~1000
ミドルワード:~5000
ビックワード:10000〜
と、定義する場合があります。
この検索数に明確な定義はありませんが、検索ボリュームが増えればそれだけ検索順位が上がった際にサイトに訪問するユーザー数が増えます。ただし、そのキーワードを狙う会社が多ければ多いほど上位表示が難しく、一般的にはスモールワード→ミドルワード→ビックワードの順に上位表示が難しいと言われています。
ただし、この優先順位を決める際に重要なことは、「購入に近い検索キーワード」>「検索のボリュームの多さ」という優先順位です。
例えば、先ほどの「リフォーム」というキーワードは、ボリュームは多いものの、そもそもリフォームについて考え始めたばかりのユーザーが多く検索している傾向にあります。
ユーザーは、商品の購入までの間に、より深い意図を持ったキーワードと掛け合わせて、検索をする傾向にあります。例えば、
- 「キッチンのリフォームっていくらできるのかな?」=「キッチンリフォーム 費用」
- 「キッチンリフォームの相場ってそんなものなんだ!」=「キッチンリフォーム 相場」
- 「どうやって会社を選んだ良いかな…」=「リフォーム会社 選び方」
- 「よし!リフォームしよう!近くのリフォーム会社を調べて見積もりを依頼してみよう。」=「千代田区 リフォーム会社」
- 「A社って会社があったけど、対応は大丈夫かな?口コミを調べてみよう…」=「船井リフォーム 口コミ」
など、ユーザーの気持ちの移り変わりがあります。
ユーザーが商品に出会い、購買に至るまでの流れと、その間の感情の推移や接触する媒体等をまとめた表をカスタマージャーニーマップと呼びます。顧客の検索するキーワードを考える際は、まず自社の顧客層(ペルソナ)を明確にした上で、どのような感情の推移があり、どのような媒体でどのような訴求を行うかを整理して、対策していきたいキーワードを選定します。
購買に近いキーワードになれば検索ボリュームは小さくなりますが、そのキーワードを狙う会社も多く、競合性が高くなる(=上位表示)が難しい傾向にあります。
ただ、一方でローカルビジネスにおいては、全国に表示されるようなビックワードは不要で、全国的に見たらスモールキーワードと呼ばれるような層のキーワードが主になります。全国商圏で戦うと数百社以上の競合がいますが、1店舗20~30万人商圏の場合、エリアの競合店は多くても数十社で、うちWEBにしっかり取り組んでいる会社は10社もありません。*広域での多店舗化を進めている会社は別の課題が生じてくるので状況は変わります。
つまり、正当なWEBサイトづくりと正しい運用さえしていれば、上位表示は一般的な「SEO対策」と比較して難易度は高くはありません。一昔前のSEOコンサルティング会社は、上位表示保証と言い、検索ボリュームの少なく上げやすいキーワードを絡めて、成果報酬制を謳う会社もありました。ただ、ここまでの話を踏まえると、SEO対策の基本的な内容に関しては、SEO対策会社にお願いするより自社で運用できる体制を整える、もしくはトータルでマーケティングのコンサルティングをできる会社にお願いをする形が良いです。
- 4.狙ったキーワードで新しいコラム・記事を作成する
キーワード選定と優先順位を決めたら、そのキーワードを軸とした記事やコラム、ページを作成します。
原則としては、「1キーワードに対して1ページ」で作成することが望ましいと言われています。さらに、近年ではページの質もかなり重要視されるようになっております。
ひと昔前までは「とにかくサイトのページ数を増やしましょう!」と、画像と最小限の文字のページを量産しているだけでも上がった時期がありますが、近年では評価されなくなり、むしろペナルティーが発生する可能性もあります。
繰り返しになりますが、SEO対策にウルトラCな施策はなく、「ユーザーのニーズを満たす」内容を着実に更新していくことが一番の近道です。
例えば、施工事例に関しては、写真のBefore/Afterのせるだけでなく、「建て方タイプ」「築年数」「価格」「工期」「施工エリア」…等、お客様が自分のリフォームの参考にできるように基本情報を掲載すると良いです。
また、実際のお客様の声や社員からのコメントもしっかりとあれば、お客様に第三者からの意見も伝わり、お客様の購買意欲をさらに高める効果も期待できます。
検索順位を上げるだけでなく、オフラインの販促と連動する
先ほどはまでは「どのように検索順位を上げていくか」という内容で、基本的な知識をまとめさせていただきました。
ただ、WEBの集客を最大化させるためには、オンライン上だけを見ていては効果を最大化することはできません。
集客のルートとしては、WEB上だけで完結するのではなく、「チラシを見て→WEBで検索」「通りすがり、看板を見て→WEBで検索」等、オフラインの販促経由からWEBで反響が発生する場合や、「チラシを見て→WEBを見て→GoogleMapで検索してそのまま来店」等、WEB単体では測れていない一面もあるためです。
実際に、お付き合いのある会社様でも、WEBの反響はチラシの折り込み部数と比例しますし、サイト訪問者が検索してくるキーワードのボリュームゾーンは会社名・屋号です。
WEB上でよい内容を発信するだけでなく、ユーザーに会社名・屋号で検索して頂けるような、「認知・露出」を増やすオフラインの施策(チラシ、看板、SR、地域誌、ポスティング、口コミ)等も非常に重要です。
地域の一番店で、知らない人がいない会社様であれば、「あ、リフォームなら○○リフォームさんに訊いてみれば何とかなる!」と思って頂ける状態を作ることができれば、それだけでWEB広告など運用しなくても安定した反響が発生します。
まとめ
SEO対策では、下記2点を大事にしましょう。
①施策に優先順位をつけ、着実に更新を続けること
②SEO対策は無販促で反響を獲得できるが、WEB上だけでなく、オフラインの販促と絡めて考える
WEBサイトのリニューアル、新規作成、運用改善にお困りの方。
どのようなデザイン、コンテンツ、配置が良いかに関してお悩みであれば、ぜひご相談ください!