「アフターコロナ 強いリフォーム会社を作る評価賃金制度」

今週の業績UPのポイントは
「アフターコロナ 強いリフォーム会社を作る評価賃金制度」です。

こんにちは。船井総合研究所の生田目です。
今週も最新メルマガをお送りします。それではご覧ください。

新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言の発出
現在、行動自粛・休業要請等で非常に大変な局面です。
リフォーム業界においても工場の稼働停止に伴う商流麻痺
イベント等の中止などにより大きな影響を受けています。

マーケティング面からの対策としては
①定番チラシの投入量1.5倍
②オンライン相談やオンライン現調の実施
③紙媒体からWEB媒体へのシフト強化
これらの対策、取組みが必要であり、
6月7月の売上を創るという事に注力が必要です。

一方マネジメント面からの対策としては
①財務強化、特に現預金の積上げ
②積極採用の展開
③社内体制の整備強化
これらが挙げられます。

アフターコロナを見据えた対策として、
今回のコラムでは③社内体制の整備強化のなかから
評価賃金制度について取り上げたいと思います。

現在のような緊急事態において強い会社の要素は
①現預金を平常月の3~4か月分の用意がある
②社員が安心して働くことができる環境がある
アフターコロナを見据えて、正当な利益を創出する
社内体制の整備強化が求められます。
評価賃金制度が大きく関わってくると言えます
以下5つのポイントに絞ってお伝えします。

01

賃金設計と労働分配率を見直す

リフォーム業界においてはかつての成長期に
作成した賃金制度を使用している会社様が多いようです。
ご相談を受ける多くの企業様の特徴は
①低基本給
②高歩合率
③基本賞与なしの歩合賞与
成長期でガンガン売上を創れるときはこの制度でも
社員は高率歩合で稼げるし、会社としても満足です。
労働分配率などを考慮しなくてもOKでした。

成熟期に入ったリフォーム業界でこれはNGです。
さらに、今回のような緊急事態にあっては
会社の販促や営業も十分にできない状態です。
つまり営業さんの減収が大きく目立ってしまい
こうなると安心して会社で働けなくなってしまいます。

アフターコロナを見据えるならば
①高基本給
②低率歩合
③基本賞与
④労働分配率発想
これらが必要になってきます。
安心して働くことのできる環境を整備するのです。

会社の成長とともに自分自身が成長できる実感、活躍のステージが広がることを感じられること、と同時に年収などの処遇にも反映されることがイメージできること。
「この会社で頑張っていこう!」という長い目で見たモチベーションと会社へのロイヤリティを醸成できることが重要です。

02

目標を粗利額の達成にスイッチ

会社の事業規模を示す指標が売上高であるために
目標設定が売上高という会社がまだまだ多数あります。
売上高3億円、売上総利益1億円のA社と
売上高5億円、売上総利益1億円のB社では
どちらが優秀な経営と言えるでしょう?

事業規模を示す売上高では5億円のB社と言えますが
粗利率=事業の効率という側面ではA社となります。

我々の調べでは一般的なリフォーム会社における販管費比率は
売上対比27%~28%であると思われます。
営業利益を7%残そうとするならば粗利率は34%程度必要

売上高を目標にしてしまうと営業さんは
「粗利25%でも受注できれば売上ができる!」
このように考えてしまうのですが実は赤字なのです。
つまり目標設定は粗利高にしなければならない
さらに粗利率にも下限設定をする必要があるのです

この数値をしっかりと評価制度の中に取り込み
営業マネジメントでもここを追いかけるように
社内体制を変えていかなければならないのです。

03

会社の求める社員像を明示する!

安心して働くことのできる環境を整備するためにも
会社が求める社員像を明確にする必要があります。

一般的には定性評価項目と呼んでいますが
会社が求める社員像をリストアップします。
経営理念の浸透や、時間厳守、5Sの徹底など
経営者、会社が求める考え方、躾マナーとなります。
営業スキルを高める、施工技術を高めることよりも
実はとても重要なことなのです。

04

スキルマップを明示する!

安心して働くことのできる環境を整備するためにも
各職種におけるスキルの標準化が求められます。
これまでのように「背中を見て育て!」は通用しません。

社内の各専門職種、リフォーム営業、塗装営業
工務、ショールームアドバイザー、総務など
それぞれの職ごとに段階に応じた
求めるスキルをまとめていきます。
そこに記されたスキルをマスターすることで
専門職としての力量がアップするというものです。

スキルマップ作成段階では各職種のリーダークラスも
作成のプロジェクトに関わってもらい
求めるスキルの棚卸しを行っていきます。
これをベースにしたマニュアル作りや
会社のスタンダード作りにも役立つのです。

05

キャリアアッププランを明示する!

安心して働くことのできる環境を整備するためにも
キャリアッププランを明示することが重要です。

社員にとっての最大の不安要素は
「自分はこの後、どうなるのだろうか」
「将来、役職につけるのだろうか」
「自分にはポストがあるのだろうか?」等・・・
自身の将来像が描けないという事が
その多くを占めています。

自身の将来像が描けないことが原因で
別の道を選ぶという残念な結果を招きかねません。

自身の将来像が描けるようになった社員は
仕事へのモチベーションも高まり
結果として業績アップや定着率アップにつながります。

最後に

リーマンショック、震災・天災、悪質リフォーム問題
我々リフォーム業界は様々な経営難を乗り越えてきました。
今回のコロナ騒動も今はグッと我慢が必要ですが
必ずその後・・アフターコロナはやってきます。
今はしっかりと対策を打ちその後に備えましょう。

以上、「アフターコロナ 強いリフォーム会社を作る評価賃金制度」
についてお伝えしました。
来週木曜日もお楽しみに!