工務店・リフォーム会社のための中〜大型案件集客マーケティング

◎今回は主に増改築リフォームを得意とする工務店系リフォーム会社様向けに、
中〜大型のリフォーム相談を上手にコントロールしている会社の事例をお伝えします。

01

これから伸びる!?
「単価200〜300万円ゾーン」の専門業態

「リフォームの客単価をもっと上げたいか?」と聞かれれば、
おそらくほとんどの会社がYESとお答えになると思います。
1件あたり単価がまとまった工事を適度に受注して、売上を安定させたい。
しかし一方で、中〜大型リフォームに絞って集客を安定させるのは難しいため、
小さな工事まで販促の間口を広げてその中に何件か飛び込んでくる
中〜大型の案件に期待せざるを得ない
という状況に悩んでおられる方も少なくないことでしょう。
今回お伝えするのは、1000万円級の全面改装ではなく、
200〜300万円価格帯の中規模リフォームの集客を増やすための
マーケティング手法とその成功事例です。
この予算帯のリフォームは、設備の単品交換のような価格勝負にもなりにくく、
1棟まるごと全面改装のような手間もかからないという点で、
大工工事力や施工管理力に強みを持つ工務店系リフォーム会社としての
強みを特に活かしやすいゾーンだと思います。

02

どの単価ゾーンを狙うにしても、
基本は「専門店型マーケティング」

どの価格帯の集客を狙うにしても、
基本となるのは「専門店化」です。
今や水廻り系や外壁屋根系のリフォームがそうなっているように、
中〜大型リフォームも専門店化をすることで狙ったゾーンの集客をしっかりと増やすことができます。
では、この予算帯の集客を増やすためにはどのような専門特化をすれば良いのか。
その一つの答えが「デザインリフォーム」の専門店です。
キッチンやお風呂などの設備単品に専門特化したリフォーム会社は
今や全国どこに行っても目にするほど乱立していますが、
それよりも一つ上の予算帯である「間取り改修」に
専門特化したリフォーム会社は実はそこまで多くありません。
なぜなら、こういったゾーンのリフォームは設備交換よりも
数段上のプラン提案力や積算力、施工管理力が求められるため、
住宅構造を熟知していて建築経験が豊富にある会社でないと対応できないものだからです。
つまり、建築業界外からの参入が難しい領域であるため、
上記の水廻り系リフォーム専門店のような競争になりにくいのです。

03

中〜大型案件の集客を増やすことに成功したある工務店のマーティング事例

さっそくですが、デザインリフォーム専門業態という新しい切り口でマーケティングに取り組んで、
中〜大型のリフォ―ムを効率良く集客することに成功した
会社の取り組み事例をご紹介したいと思います。

こちらの会社はもともと地元密着で新築からリフォームまで幅広い対応力を持った工務店ですが、
「人が育ちやすく集客が安定するリフォーム業態づくりを」
ということで水廻りリフォーム専門業態を立ち上げて地域トップクラスのシェアを獲得していました。
集客が安定的に増えていく一方で、次は客単価アップによる生産性の向上が課題となったわけです。
そこで取り組んだのが、「デザインリフォーム(間取り改修)のパック商品化」でした。
・「8帖ダイニング+8帖リビングを16帖LDKに」といった形で複数の間取りパターンを想定して
それぞれの工事内容をパッケージにして定額プラン化 ・間取り改修はデザイン等の好みも出てくるので、
内装や照明を使い分けて「定額プランの中で選べる4つのテイスト」を設定 ・プランの中心になるシステムキッチンも、
「●種類から選べるキッチン」としてラインナップ さらに、
「4つのテイストが実際に体感できるLDKブース(DKブース)がお店にあります」
という店づくりをすることで来店動機を高めることに成功しました。

そして販促の基本に忠実に、

  • 従来から反響率の高いエリアを中心にデザインリフォーム特化型メニューチラシの折込
  • チラシに対応したLDKメニューのホームページの整備 を行いました。

その結果、200〜500万円クラスの中〜大型リフォームの集客が従来の2倍近く増加して
全体の平均単価も70万円前後から140万円前後まで上昇しました。

今回もお読みいただきありがとうございました。
「コンサルティングコラム」では
引き続きコンサルティングの現場から、
リフォーム事業に関わる皆様にとって有益で最新の情報をこれからもお伝えしてまいります。
来週以降もお楽しみに。